ザックリと説明すると
・日本株については、投資判断は、-。アセットアロケーション比率22.0%→21.0%と減。大きな下げが生じた場合は買い出動。
・日本国債の投資判断は+。アセットアロケーション比率11.0%→12.0%と増。物価連動国債連動型ファンドの追加購入はせずに3,5,10年を組入。
・外国株式については、ファンド経由で購入する方針。地域を選別することで投資妙味がある。現状、インド以外には思いつかない状況。アセットアロケーション比率20.0%で変更なし。
・外国株式の地域別の投資判断、組入割合は、
先進国、欧米地域:40.0%と変更なし。全体としての比率は、20%×40%=8.0%。
中 国 :投資判断は-だが現時点での組入比率が低いため、アセットアロケーション比率は12.0%変更なし。全体としての比率は、20%×12%=2.4%。
イ ン ド :リスクはあるものの期待値も大きい。投資判断は+。アセットアロケーション比率は、25.0 → 26.0%。全体としての比率は、20%×26%=5.2%。
アセアン地域:投資判断を3カ月後はどうか?に限定すると投資判断は-。アセットアロケーション比率が23→22%。全体としての比率は、20%×22%=4.4%。
・外貨関連:米ドルMMF、FXのドル円、2511 NEXT FUNDS 外国債券・FTSE、各国、国際機関、企業の生債権、
イーストスプリング・インドネシア債券オープン(毎月決算型)、イーストスプリング・インド公益インフラ債券ファンド(年2回決算型)などを組み入れ。
他のセクターに比べると投資妙味もあると判断し外貨関連の投資判断は+、アセットアロケーション比率は15.0→16.0%で増。
内訳:FXと2511 NEXT FUNDS 外国債券・FTSEで64%(変更なし)、インドネシア債券ファンド19%→17%、インド公益インフラ債券ファンドを17→19%。
全体の比率ではFXと2511 NEXT FUNDS 外国債券・FTSEで10.24%、インドネシア債券ファンド2.72%、インド公益インフラ債券ファンドを3.04%。
・バランスファンド:バランスファンドの組入比率を下げ、アセットアロケーション比率14.0→13.0%に変更。
・流動性資産:アセットアロケーション比率18.0%で変更なし。
それでは詳細について触れていきます。
・ウクライナ戦争について
日本に住んでいるとどうしてもウクライナ寄りの報道に偏ることは、理解しておきたい。ロシア軍の能力は開戦前の15%増との報道もあり。ウクライナ敗戦もシナリオに入れて考える時期が来た。その場合、相場への影響等は予測できない。なお、穀物輸出は新ルートが開拓され戦争以前の水準に戻っている。
・イスラエル問題について
経済に関しては大きな影響はないと考えています。
・コロナの影響について
経済的な面での影響は無視して良いと考えている。ただ、高齢者や病を抱えている人は本当に用心してください。私の周りでも人工透析の患者さんでコロナで亡くなった方がいらっしゃいます。さらにコロナ後遺症の友人も発生しており、健康面での影響は未だ無視できません。ただ、もう過去の話題になる日も近い。本資料でもコロナについて触れるのは今回で最後にする予定。
・米中関係について
基本的に偶発的な衝突がない限り、このままにらみ合いが続くと考えています。両国の貿易額が2022年には4年ぶりの最高額となるなど相互依存は続いていたが、脱中国の動きは加速しておりいずれかのタイミングで相互依存の均衡が崩れた際が危険と考えています。中国は国内経済問題も抱えていて、台湾有事は、2025年まではないと考えている。習近平氏の任期は2028年までであるのでそこも留意したい。今しばらくは、中国からの投資資金の全面引き上げの必要は無いと考えています。ただ、アフリカ諸国や新興諸国への中国、ロシアVS先進国の外交合戦は活発化しており、実質的な戦争状態と取ることも出来る。
・投資全般について
日銀の追加利上げの見通し、9月19日説の他メインシナリオは10月30日説などがある。その場合、日本株へは下げ圧力、円相場に関しては円買い=円高の可能性が考えられます。
日本株ETFにおける暴落と復元期間を利用した投資戦略を継続する。
オルカンの組入については、行わない。20年強かけて作ったポートフォリオを崩すのが面倒な事に加えて、オルカンの国別構成比率の日本は5%と低いこと。米株を買っておけば世界分散との考えも理解しているが、日本人が一番情報を得やすいのは、日本株なのでそれを主と考えている。
各種国際機関の世界経済見通し
世界銀行の数字が1月の予測なのが注意。他の国際機関に比べると悲観的な予測。特に2024年の米国に対しては悲観的、インドネシアについては楽観的。
IMFは、世界全体の成長率が2023から横ばい年3.2%。米国は2024年をピークに2025年は減速。ユーロ圏が2025年にかけて成長。日本は横ばい。中国は、2025年も減速、インドも減速だが元の成長率が高い。
OECDの予測はIMFに似ているが、新興諸国に関しては減速とは見ていない。
アジア開発銀行の予測では、インドは高成長ながら頭打ちの傾向。中国に関しては2025年まで低成長が続き足を引っ張る。
米金利高観測で世界の株価上昇に陰りが見え始めており、株から債権へシフトという戦略も考慮する時期がきた。ウォーレン・バフェットの株式に対しての投資姿勢が鈍っている。以上を踏まえて上での投資方針としては、株式はリスクが高い。かといって大きな暴落も考えにくく、ダラダラした相場が続くと考えいる。大きな下げが発生した場合は、機動的な買いを入れていく方針。(日本株ETFにおける暴落と復元期間を利用した投資戦略を継続)。なお、今回のアセットアロケーション組換え時1.7%程度の運用資金の増額を行う。本来であれば、今回計画したアセットアロケーション比率を微調整する可能性がある(これを行わないと投資判断でマイナスとしたセクターに対して追加投資をすることになる)が今回の増額は規模が小さいためそれは行わない。
投資妙味としては、先進国外貨、外債>インド株>日本国債>日本株>欧米株>アセアン株>中国株と考えている。それに基づきアセットアロケーション比率を変化させることとなる。
・日本株について
日本株が下落しているが、今までの上げ要因としては円安と日本株への期待感、中国株から逃避した資金流入があったように思う。ただし、これ以上の円安が見込めないことと今までの過熱感を考慮するとここから一段の上昇は見込めない。各国に比べて指数も見劣りしており調整局面が続くと考えられる。幾人かのアナリストの見解では夏~年末までの調整局面との意見が多かった。一方、年内の最高値についても更新できないという意見が多い。流入資金については、中国株→日本株が日本株上昇の一要因であったようだが、ここ最近、中国株への回帰が観測されている。
内閣府は2024年度に物価高を所得増が超えると予測しているが、減税効果による試算である。よって、私は難しいと判断しており景況感にそれは影響するかもしれない。さらに民間のエコノミストによっては、実質賃金がプラスとなる時期について夏以降で場合によっては25年にずれ込むとの予測もある。日経新聞1/23朝刊によると民間シンクタンクの試算によると、実質賃金をプラスとするには2024年に3.6%の賃上げが必要とある。小売店などで値上げ後に売り上げが落ちるなどの現象が観測されており、家計の節約志向が出てきている。その為、春闘の賃上げが予想を下回った場合のガッカリ感の家計への影響を懸念する。その上で2月の1人当たり賃金は実質1.3%減となり23カ月連続マイナスとなっている。
日銀の4月の景気判断7地域が下げだが、持ち直しは維持。ただし、先行きへの不安(個人消費が物価高を受けて節約志向)が指摘されている。現在は、コロナ貯蓄で一息ついている傾向が考えられるがそれについても、コロナ貯蓄の減少が始まっておりそれが無くなる前に実質賃金がプラスになるかは不透明。日経報道3/31よると、「2023年の休廃業が5万社となり10年で最多。失業率は2月は2.6%」。この失業率の低さは実質完全雇用と考えれば、今後企業の整理が進めば足腰が強い企業が日本国内に残ると考えてもよいのかもしれない。それを踏まえて東京商工リサーチ、全国企業倒産件数を見ると、4月783件(前年610件)、3月906件、2月712件、1月701件。今後、金利が戻ることによる企業倒産は増加する可能性がある。ただし、増加基調の企業倒産であるが、現在のところ問題とは考えていない。むしろ、企業数の多さがもたらす非効率が是正されることで日本経済にはプラスと長期的にはなると考えている。ただし、注目するは失業率でこれが上昇すれば警戒すべき内容であるが問題は見当たらない。やはり現在の状態は実質完全雇用といえる。
マネックス証券1月1日のレポートでは2024年末の日経平均を4万2000円としている。一貫して日経平均の上昇を主張しており、それが達成されていることからこれを一笑に付すことは考えにくい。小売りについて、増益率が縮小したと報道がある(日経4/16朝刊)値上げにより販売が伸び悩み一部で値下げの動きも。訪日客、高額品は好調だが消費者のひもは固い。今後賃上げが遅れれば、消費の落ち込みが続く懸念も出てきた。
日経5/21朝刊の景気討論会では日本の経済見通しは24~25年に関しても年1.5%以下と低い。
指数関連:
機械受注2023年は3.6%減、3年ぶりマイナス。2月前月比7.7%増、持ち直しの兆し。
政府の月例経済報告の5月景気判断は据え置き。4カ月連続で「このところ、足踏みも見受けられるが緩やかに回復している。
内閣府の1月現況判断指数DI50.2、2月52.0、3月が49.8。50が好不調の分かれ目。2カ月ぶりの低下で物価高・悪天候で消費が弱かった模様。
内閣府の4月の消費者態度指数。38.3と前月比▲1.2となり、3月の賃上げ期待で上げた部分を帳消しし、2月の39.0を下回った。暮らし向きについては同様の傾向。ただし、長いスパンで見ると緩やかに改善しているように見える。3月の賃上げ期待が大きすぎた?
4月の景気ウォッチャー調査ではDI(季節調査値)47.4で前月比2.4低下。2カ月連続の低下で円安の影響?5月の消費者態度指数(季節調査値)36.2で前月比2.1ポイント低下。改善に足踏みが見られるに下方修正。
以上を踏まえると、家計は潤っておらず先行きへの明るさには少し陰りが見え始めた。賃上げの効果は、夏以降に出てくる可能性は高いが、それが大きくプラスになるとは考えにくい。しっかりと家計の景況感が上がるまでは大きく投資することは、難しい。よって、投資判断は、-とします。日本株のアセットアロケーション比率22.0%→21.0%と減。ただし、前述した日本株ETFにおける暴落と復元期間を利用した投資戦略は継続し、大きな下げが生じた場合は買い出動します。
銘柄については、個別銘柄の追加保有は行わず、インデックス系ETFを中心とし、1577 NEXT FUNDS 野村日本株高配当70連動型上場投信の組み入れを増やすこととします。なお、このETFの組入については、1577 野村日本株高配当70ETFを使った売買戦略に基づき行います。詳細は下記参照
・日本国債について
マイナス金利解除に伴い国債の魅力は増した。各セクターのリスクと見比べながら積み増しも考えられ、機関投資家筋からの持ち高の復元についての言及もある。
物価連動国債連動型ファンドについては、今後物価の上昇率の伸びが鈍化するという見通しがあり一部の売却を検討する段階にある。賃上げが中小企業に波及せず、モノが売れない結果、企業が価格転嫁を諦めるというシナリオ。シンクタンクの見通しによると実質賃金が上がるためには3.6%の賃上げが必要で仮に実質賃金が上がったとしても実感として出てくるのは、夏以降というという見通しがある。
日本株の展望は長期的に見通せないためですが、今後も日本の物価は上がると見込める。ただし、鈍化の気配も見えていることから物価連動国債連動型ファンドの組入比率を引き上げることは出来ないと考えている。小売店などで値上げ後に売り上げが落ちるなどの現象が観測されている。値上げが今度続けられるか?に黄色信号が点りつつある。よって物価連動国債の投資判断は-。日本国債については+。現在、個人向け国債を3、5、10年に加えて物価連動国債ファンドを組み入れてますが物価連動国債ファンドの追加組入はなし。場合によっては一部売却をし個人向け国債への組換えを行う。個人向け国債は3、5、10年と償還時期のバランスを見ながら組み入れます。
投資判断は、投資判断は+とします。日本国債のアセットアロケーション比率11.0%→12.0%と増。
・外国株式について
基本的に外国株の個別をカバレッジすることは、難易度が高いと考えておりファンド経由で購入する方針を20年近く続けています。現状で外国株式が買える環境かといえば、地域を選別することで投資妙味があると考えています。世界のマネーが新興国投資から中国を除外し、インド、ベトナムへ軸足を移しており、運用成績も中国を除外したものが上昇率が高いがいづれは、中国への見直しが入ると考えています。その兆候もここ数ヶ月観測されている。今後しばらくは、日本株は上値は試しにくいと考えており外国株式に活路は見出すものの買いたい地域は、インド以外には思いつかない状況である。
以上を踏まえると、積極的に外国株式の組入比率を増やす理由は無く、インドへの投資を増やすとしての外国株式の組入比率の地域比率を変更することで対応できると考えることから、アセットアロケーション比率20.0%で変更なしとします。なお、オルカンの組入は現時点では行わない。理由は、20年強かけて作ったポートフォリオで分散が出来ているためである。
・先進国、欧米地域について
米国について:
指標で分析すると
プラス要素 個人消費、
マイナス要素 失業率、住宅ローン金利、企業の景況感、物価
となり、指標だけを見るとあまり良くない。(詳細記事 日経5月9日朝刊)
失業率4月3.9%に上昇しコロナ後の人手不足は和らぎつつあり、賃上げの勢いも同じく落ち着きつつある。ここからの景気の大幅な上昇は考えにくい。消費についても富裕層を除いて、裁量消費が減少している。米国の個人消費はGDPの7割と言われており悪影響が懸念される。CPIは前年同月比、2月3.2%上昇、3月3.5%上昇で伸びは2ヶ月連続拡大。なお、1月は3.1%と市場予想の2.9%を上回り。米経済の軟着陸論については、何度もシナリオが崩れており予測は不能と考えているがここからの大幅な景気拡大は難しいと考えている。
欧州について:
物価(速報値)については2月2.6%上昇、3月前年同月比2.4%上昇、伸び率は3カ月連続で鈍化、利下げ転換の要素となる。
ドイツ経済が2023年GDPが前年比0.3%のマイナス成長。ドイツ経済はユーロ圏のGDPの3割を占め景気低迷が長期化するとの予測もある。中長期的には高齢化率が22%(日本は29%)と高く人手不足が加速しているのも気になる。なお、デジタル化も遅れておりカード払いができない場面も多い(日経1月3日朝刊)。数値以上に実体経済はもっと厳しいのではないかという指摘もある。欧州経済のマイナス成長、景気後退懸念が現実化している。2024年のドイツの実質成長率は0.3%と低水準。G7で最低であり改善の見通しは描けていない。
ただし、明るい材料もある。ユーロ圏消費者物価し指数。速報値4月は前年比2.4%と3月と変わらない上昇。一時期の混乱は収まったように見える。英国も同様で一時期の混乱は収まったように見える。4月2.3%上昇。ユーロ圏景況感が改善。4月に景気底打ちの可能性。2月48.9(速報値))、4月のPMIが総合で51.4と2カ月連続で上回った。今後、米国が減速しても元々、低成長であった欧州は通常の成長率に戻ると考えられる。以上を踏まえると、欧州については投資妙味が出てくる可能性がある。
現在、現在組み込んでいるファンドは、三井住友DS・海外株式ETFファンドであるが組入比率を見ると米国が半数を超えている。仮に米国は投資妙味がなくなり、欧州が投資妙味があったとしても組入比率の関係で米国の減速分を帳消しに出来るとは、考えにくい。しかし、米国の本格的景気減速は考えにくいので投資判断は±。外国株式でのアセットアロケーション比率は、40.0%と変更なしとします。全体としての比率は、20%×40%=8.0%。
・中国地域について
中国の信用格付け、フィッチが安定的→ネガティブに格下げ。なお、ムーディーズが23年12月に格付け見通しをネガティブに変更しているが格付け自体はA1(シングルA+)としている。先行きは暗い。世界でも最速ペースで進む少子高齢化、地方財政難など。
日経報道4月4日によると、現地エコノミスト調査では2024年は4.7%と成長予測が出ている。他の国際機関の予想とほぼ一致。最大の問題は不動産市況との指摘。11月の米大統領選までは何が起こるか分からず、それまでは投資がしづらい環境が続くと考えている。財政赤字も2018年以降、上昇傾向が続いている。2月49.1、3月50.8、4月50.4とPMIが2カ月連続50超えとなった。今後これが継続するかは不透明。資金については、中国株→日本株へ流れていた部分がここ最近、中国株への回帰が観測されている。ただし、本質的な問題は解決しておらず今後この上昇が続く可能性は薄い。習主席の任期は、変更がなければ2028年までだが、米経済界関係者と会談するなど外資離れを意識してか外交も活発に行っている。
デフレリスクがささやかれた。仮にデフレとなり日本と同じ轍を踏むとなると、20年は回復不能か?ただし、政治システムが共産党一党独裁であり対策は直ちに打てる可能性もある。実際、空売り規制や国家耐による買い支えも実施されている。ただ、今後の対策が続けられるのか?実効性が伴うかは不透明である。IMFの中国経済の年次報告によれば、24年の実質経済成長率は4.6%、23年よりも0.6%の減速、さらに下押しがあった場合はそこから1.0%の下振れも指摘している。その後5月29日の審査報告では成長率見通しを24年5.0%、25年4.5%とした。
ただ、大きな枠組みで考えると、世界はもはや中国を無視することは出来ない。日本国内の自動車の部品の4割は中国製との話もあり、日本にとっても最大の貿易相手国である。台湾有事さえ起きなければ、愛想笑いを続けながらも世界は中国との付き合いを続けることになると考えている。実際、米中の貿易額が2022年には4年ぶりの最高額となるなど相互依存は続いている。未だボリュームとしては中国は大きいのことも事実であり人口14億人の消費は大きい。今後、段階的に中国依存は解消していくだろうが直ちには改善しない。
外交戦も進めており、フランス大統領との会談など切り崩しを試みている。ウクライナ問題での発言力、中東でのイラン、サウジ外交正常化での中国の仲介など、着々と国際関係での足下を固めている。今後は、ペトロダラーの一部崩壊など国際的な米国の影響力を削いでくると事は容易に推測できる。通貨では、元決済の拡大を進めており、ブラジルとの元決済も始まるがそのシェアはまだ低い。ただ、不安要素も多く幹部の更迭や再任用など国内情勢の混乱も見て取れる。国際機関の経済予測も少し明るい兆しは見え始め、中国株から日本株へ流れていた資金が戻っているという報道もある。しかし、問題の本質は解決していない。
以上を踏まえると、現時点でも投資先から外す理由も見あたらないが大きく投資をする状態では無く、ある程度の投資規模は確保しつつ、中国経済の立ち直りを確認した時点で投資割合を増やすというのが定石と言える。よって、投資判断は-としますが現時点での組入比率が低いため、アセットアロケーション比率は12.0%変更なし。全体としての比率は、20%×12%=2.4%。
・インド地域について
近年絶好調。10~12月期のGDP成長率は8.4%と13四半期連続のプラス成長。乗用車販売1月が前年同期比14%増で過去最高など景気は好調である。インド中銀は24年度の実質GDP成長率を7%と見込んでいる。ただし、1人あたりGDPは中国に比べて1/5の水準であり成長余地はあると考えられる。国境紛争については、パキスタン、中国とも抱えておりリスクの一つと考えられる。
日経5/21朝刊の景気討論会ではインドが10~15年後の世界経済の主役になるとの見立てがあった。アナリストによると年率10%で5~6年で指数は倍になるという見立てもある。ただ、政権が安定しているという条件が付与される。OECDの見通しでは、24、25年共に上方修正、ADBに関してはトレンドとしては下落だが高い成長率は維持している。今後も成長は続くと判断される。
問題点も指摘されている。他国に比べて浮き沈みも激しく、政情も不安定であり、成長鈍化、失業増、野党弾圧なども指摘されている。失業率の高さ8%、都市の若年層に至っては16%、国民の4割が世界銀行の貧困ラインなど。社会資本の整備も遅れており、人口ボーナスの期間中にそれが追いつかなければ成長が停滞する可能性もある。社会資本の整備の遅れとしては、品質管理や物流の面などが指摘されている。さらに基本的な学力の問題もある。インドの識字率は、7割程度と言われているが統計方法によっては5割ではないかという指摘もある。
以上を踏まえると、リスクはあるものの期待値も大きい。よって投資判断は+とする。アセットアロケーション比率は、今回は25.0 → 26.0%とします。全体としての比率は、20%×26%=5.2%。
・アセアン地域について
アセアン地域の経済規模は、米国、中国、日本、ドイツに次ぐ規模であり20年代後半には日本を上回る可能性がある。リスクはミャンマー問題や各国の保護主義的な動きがある。(詳細は、日経新聞朝刊23/12/7)貿易総額2022年その他27.5%、中国、18.8%、韓国5.8%、EU7.7%、米国10.9.%、アセアン域内22.3%、日本7.0%。 域内経済が一番シェアが大きい。
マレーシアの2023年GDPが3.7%増、しかし高成長だった22年8.7%増からは減速。マレーシアリンギについては、2月20日対ドルで下落、通貨危機以来の安値圏となった。経済に対しての黄色信号の可能性。
タイの経済について、GDPの下方修正などが見受けられる。車の生産も前年同期比11%の減など4月は9カ月連続マイナスとコロナ、半導体不足以来の低水準。
米ドル1強による新興国への悪影響が見受けられはじめた。インドネシアは為替介入も行った。今後、インフレ再燃や成長率の下押しにつながる可能性もある。東南アジア経済については、踊り場に入った可能性がある。国際機関の経済見通しでは、世界平均よりも高い状態が続くがインドに劣り、中国に勝るという感じ。中長期的には、魅力的な地域であることは間違いないが中国依存度が高く、中国経済の低迷の悪影響があるものの、域内経済も大きくむしろ世界の脱中国の動きがアセアンへの投資に繋がる可能性がある。ただし、現時点ではネガティブな材料も目立ちはじめた。投資判断を3カ月後はどうか?に限定すると投資判断は-とします。この3ヶ月後は、アセットアロケーションに次回組換え時期を加味しての投資判断です。よってアセットアロケーション比率が23→22%とします。全体としての比率は、20%×22%=4.4%。
・外貨関連:
外貨関連については、米ドルMMF、FXのドル円、2511 NEXT FUNDS 外国債券・FTSE、各国、国際機関、企業の生債権、イーストスプリング・インドネシア債券オープン(毎月決算型)、イーストスプリング・インド公益インフラ債券ファンド(年2回決算型)などを組み入れている。
FXについては、ドル円を短期でロングで取引開始、薄く利益を確保しています。今後については同じ方針。世界でインフレ対策の転換が始まり、米については利上げは終結し世界的にも利下げが進むと考えられている。よって、FXは大きく買い玉は建てない方針。米国の利下げに関しては、今年の実施回数は少なくなる、12月に初めて実施、年内はなしなどと後退観測が見受けられる。翻って日銀の利上げに関しては、経済に水を刺しかねないとの慎重な発言がある。ただし、向こう3ヶ月を見ると米利下げ、日銀利上げが無いと考えればドル円に関しては、ある程度の短期的には過度な円安は考えにくいが、円という通貨自体の弱体化はあるとおもうので長期的には円安だと判断している。投資はありと考えている。
生の債権については、為替リスクを加味しても年5%程度の利回りがあるなら組み入れるメリットは大きいので、利回りなどを見ながら組み入れたい。アジアの途上国の債務リスクが増加。ラオス、モルディブ、パプアニューギニアなどに注目すること。この辺りの国に問題が起きた場合は、炭鉱のカナリアの可能性が高い。
イーストスプリング・インドネシア債券オープン(毎月決算型)について、運用成績が伸び悩んでいる。米ドル1強による新興国通貨への悪影響も考えられ、合わせて手数料が高額であることから、それも含めると投資妙味は薄くなっている。インド政府は、23年10月以降の大型インフラ事業への支出は抑えた模様だがインド公益インフラ債券ファンドの運用成績を考えると投資妙味は非常に大きい。リターンもだがシャープレシオが2を超えている。
以上を踏まえて他のセクターに比べると投資妙味もあると判断し外貨関連の投資判断は+、アセットアロケーション比率は15.0→16.0%で増。内訳はFXと2511 NEXT FUNDS 外国債券・FTSEで64%(変更なし)、インドネシア債券ファンド19%→17%、インド公益インフラ債券ファンドを17→19%とします。全体の比率ではFXと2511 NEXT FUNDS 外国債券・FTSEで10.24%、インドネシア債券ファンド2.72%、インド公益インフラ債券ファンドを3.04%となります。
・その他:
私の運用成績とベンチマークとしているバランスファンドを比べた場合、5月20日現在で2024年度はバランスファンドが1.04%、私の運用成績が1.63%と共にプラスとなりました。3四半期連続でバランスファンドが私の運用成績を上回っていましたがここで逆転です。よってバランスファンドの組入比率を下げ、アセットアロケーション比率14.0→13.0%に変更。
・流動性資産
アセットアロケーション比率18.0%で変更なし。
・投入資金:
今四半期も、約1.0%の運用資金額の増強を行います。本年度は今後も四半期ごとに1%前後の資金追加を予定しています。
※なお、この記事は投資を推奨するものではありません。投資に当たっては、個々人の責任でお願いします。