公務員、早期退職(公務員 → 民間 → アーリーリタイア)

43歳で地方公務員を早期退職し、民間勤務1年を経てアーリリタイアし専業個人投資家に転身した瀬野航太のブログです。資産運用歴は兼業時代も含めて23年。投資手法は昔ながらのアセットアロケーションです。

私がアマチュア無線を大幅縮小する理由

かれこれ30年近くアマチュア無線をしてきました。海外の免許を取得し、海外から運用をするなど結構アクティブにやっていたのですが先日のモービル機の故障などに加え昨今のアマチュア無線界に嫌気も差してきたので、活動を大幅縮小することにしました。具体的には、局免を移動する局、移動しない局と2局あったものを移動する局だけにします。モービルについては、故障した無線機の後継の搭載は行わない方向です。



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なぜ、アマチュア無線を大幅に縮小するのか? 今回はそれをまとめてみました。


ザックリと話をまとめると・・。
その昔、アマチュア無線は比較的科学技術の先端を走っていてそれに魅了された若者が運用していた。
→ しかし、時代は流れ時代の先端は、アマチュア無線ではなくなってしまい若者は姿を消し、元・若者が老人となりアマチュア無線の世界に残った。
 → APRSVOIPなどPCとの融合を図った通信方式がアマチュア無線界の新陳代謝に貢献したが完成された技術であり、面白みにかけていた。
  → FT8なども新しい技術であったが、既存のアマチュア無線とはかけ離れたものであった。
   → そんな中、アマチュア無線機は高額化の一途をたどる。
    → JARL(日本アマチュア無線連盟)の内紛勃発。楽しくワイワイするはずの趣味の集まりでは、ドロドロした泥仕合
     → 通信技術の進歩で災害時にアマチュア無線が活躍できる機会は減ってきた。社会的地位の低下。
      → 道の駅アワード等に伴う移動運用での迷惑行為が目に余る。
       → DCRが便利に使えることが分かった。運用局の年齢層が比較的若く汎用性が高い。
        → 年齢層も高く、将来性のない趣味をこれから続けていくのか? 答えは明白。



では、細かく紐解いていきます。




アマチュア無線人口の減少と同世代の少なさ

一時期、趣味の王様と言われたアマチュア無線。たしかに携帯電話やPCが世に出るまでは、趣味の王様で科学技術に興味のある若者は電子工作などにも熱中しました。しかし、時は流れ科学技術に興味のある若者はプログラミングに流れており、連絡手段で重宝されていたアマチュア無線は携帯電話にその座を奪われました。そのため、現在アマチュア無線を特に楽しんでいる人の高齢化が進んでいます。私は今年48歳ですが、それでも若手の部類です。そして、この世代は絶対数が少ないため、アマチュア無線家同士でもきのあう方と遭遇する割合も少なくなりました。つまり、楽しくなくなってきました。



APRSVOIPもマンネリ化してきた

低迷するアマチュア無線界に少し前から普及した通信方式がAPRSVOIPでした。この二つ、私はけっこうヘビィユーザーでした。ところが2年ほど前から運用局も激減したように感じます。ある程度、技術として完成されたものなのでそこからの進歩もなく、高度すぎてアマチュア無線家が関与する部分も少なかったと感じています。そのため、どうしてもマンネリ化してしまい飽きる人も多いのでしょうね。VOIPに関してはワイヤーズXしか知らないのですが、接続局数が減ってきておりさらに実際に声を出す人は、同じ人という状況です。




・FT8などの通信方式はアマチュア無線とは思えないから

新しい通信方式は大歓迎ですし、私はVOIPも楽しんでいます。ただ、FT8については「これがアマチュア無線なのか?」ということを日々、感じています。感じ方は人それぞれなので否定はしませんが、私は疑問を感じていて、FT8を楽しめないというのが実情です。RTTYとPSK31は、好きだったので食わず嫌いなのかもしれないですが。



・無線機が高額商品となった

無線機はそもそも、高額商品でしたがここ数年で値段が上がってきました。会社四季報によると、アマ無線機の新商品を投入しても利益はトントンなどという話もあり、利益が望めない商品となった現在、価格はこれから上がっていく方向であることは間違いないでしょう。その上で私自身のアマチュア無線の活動も減っていくとなると、費用対効果で高額商品となってしまいます。もう、昔のように無線機を買える環境ではなくなりました。


JARL(日本アマチュア無線連盟)に内紛に嫌気が差した
アマチュア無線家の中でもアクティブな方は、JARLに入会しています。そのJARL、けっこう前から色々と問題を抱えていて、裁判沙汰まで起こしています。原告、被告共に言い分はありますし、私の意見はここでは述べません。ただ、趣味の集まりってある程度信頼感の上でなり立っていると思うのです。JARLに関しても会員の会費で運営していますが、ここまで事態が悪化しているともう、信頼感はゼロです。さらにいうと、外野から見れば「コップの中の戦争」という感も否めなくて、もう関わり合いたくないという気持ちです。子どもじゃないんだから、ここまで事態が悪化するまでに話し合いで解決できなかったのか? そう思います。



・災害時にアマチュア無線が活躍する時代は終わった

大規模災害が起きた場合、通信の確保は重要です。過去にはアマチュア無線が大活躍しました。しかし、行政機関は衛星通信を確保し、一般人はSNSで災害時は情報をやりとりし、通信キャリアは災害時にはいち早く通信確保する体制が取られるようになりました。そのため、行政機関からアマチュア無線がアテにされることも減りました。アテにしなくても衛星携帯電話を使えばいいわけですし、高齢化の進む無線家をあてにもできない実情もあります。つまり、アマチュア無線の社会的地位は失われつつあります。



・道の駅アワードなど伴う、迷惑な移動運用。

私もアワードは大好きで、国内やDXCCなど楽しんでいました。ただ、道の駅アワードが誕生してから一部のアマチュア無線家ですが、迷惑な移動運用が増えてきました。多数の人が集う場所で発電機を動作させたり、身障者のスペースに駐車したり大声で運用したり目に余る事が増えました。そういうことが原因なのか、アマチュア無線をしていて警察の職質を受けるという話も増えてきました。正直言って、彼らと一緒にされたくない思いがあります。


  
道の駅アワードと思われる移動局。DPを歩道上にまで延ばして運用している。マナー違反です。

・DCR(デジタル簡易無線)が便利
今だから言いますが、私はライセンスフリー無線をバカにしていた時期がありました。ただ、実際にやってみるとマナーも良い人が多いですしカード交換も不要。そして、年齢層が比較的若いので結構楽しめました。ロードバイクのイベントやレースでもDCRは活躍していて、観戦や参戦の時に傍受できることも魅力です。


・将来性のない趣味にお金を使うのか?
前述したようにアマチュア無線家の高齢化が進んでいます。下記に関連記事を示しますが、もはや老人クラブ状態です。それは別に構わないのですが彼らがいなくなったら、今まで以上にマイナーな趣味になるのはほぼ確実だと思います。その昔、「アマチュア無線をやっています。」と言ったらそれなりに理解をしてもらえましたが、今では「なんですか?それは?」と言われることが増えてきました。今、私はロードバイクという趣味もしていますがこちらはここまでヒドくないわけでアマチュア無線に比べると将来性があります。限られたお金を趣味に投入するとなると、答えは明白です。


www.hamlife.jp





以上が理由になるのですが、一番の根っこはアマチュア無線を楽しむ年齢層が自分の年齢層と合わないことなんだと思います。あれだけ熱中していたアマチュア無線を大幅縮小するときが来るとは夢にも思いませんでした。ただ、数年経って戻ってくるかもしれません。それは否定できません。なのでコールサインだけは維持する予定です。