公務員、早期退職(公務員 → 民間 → アーリーリタイア)

43歳で地方公務員を早期退職し、民間勤務1年を経てアーリリタイアし専業個人投資家に転身した瀬野航太のブログです。資産運用歴は兼業時代も含めて23年。投資手法は昔ながらのアセットアロケーションです。

大物が減った役所の管理職とパワハラ論の危うさ

本記事は、2021年4月18日に公開したモノに、パワハラ論の危うさの項目を2022年12月18日に加筆したものです。



 先日、地元のスーパーで10年ほど前に役所を定年退職した元上司にバッタリ会いました。私が役所を退職したことも知っており、しばらくお話をしました。その方は、淡々と仕事をこなす方でしたが部下のことを意外と把握しており、なにか有事があれば少し考えたあと、怒濤のように指示を出すタイプでした。話しやすい方でしたので、仕事上の困り毎を相談にいくとそれなりの答えを出したり、難題だと少し時間を経ってから対応方法を伝授したり、「その案件、預かって良いか?」と言い処理を行うなどしてました。簡単に言うとゼロ回答はしない管理職でしたね。静かなカリスマ管理職という感じです。



静かな人ではありましたが、大物であったことは間違いないと思います。私が公務員になって間もない頃は、怒鳴る管理職もたまにいましたが、概してそういう方は部下の一大事には、自分が盾になり部下を守り問題の解決を図るなどしており、人望も厚い人が多かったように思います。ですので、外から見るとパワハラのように見えていても、怒鳴られている方はパワハラとは感じておらず「親父がどなってる。」って言う程度にとっているような雰囲気すらありました。ですので、部下も怒鳴られても双方の根底には信頼がありましたから、それが元で人間関係が壊れることも少なかったです。怒鳴るのは、叱咤激励の意味と仕事で失敗しないための方向修正の意味もあったように思います。ちなみにそういう方は相手が市長などの首長でも「おかしい」と思えば遠慮せず指摘してました。首長なども人間ですから間違いを犯します。しかし、そういう時に遠慮せずに指摘する管理職に対しては、信頼を寄せているようにも感じました。「なにかあれば、彼がブレーキをかけてくれる。」という安心感も合ったのだと思います。


プロ経営者と言う言葉がありますがプロ管理職、そういうのがピッタリな人が役所にはいました。しかし、今はそういう人はいるのでしょうか? そんなことを考えた1日でした。


そして、現在。怒鳴る管理職がいればパワハラで訴えられる時代です。そういう人は減りました。しかし、同時に大物とも呼ばれる管理職も消えたように思います。暴力を肯定はしませんが、上司と部下の距離感が広がり結果的に踏み込んだ指導や支援もなくなりました。何かあったときに、身体を張る管理職は消えて保身に走る管理職が横行しているようにも感じます。そういう意味では、昨今の社会の傾向として何でもかんでもパワハラと取ってしまうことについては、私は強い違和感を覚えています。それは表向きは、パワハラに見えても中身はあなたに期待しているから言っているのではないですか?と問いたいこともあります。翻って、言葉では丁寧に対応していても明らかに見る目が冷たい。話の輪に当人が入りづらい雰囲気を作る。指導や助言を一切しない。など消極的なパワハラは、外から見ればパワハラには見えないことがあります。私は民間企業でコレを経験しました。その辺を考えると、このあたりでパワハラという言葉が独り歩きしていることを理解し、ちょっと整理する時期が来たようにも思います。




そのパワハラとあなたが感じる行為・・。本当にパワハラなんでしょうか?  
見た目は優しいパワハラとは縁遠い上司・・。本当にあなたのことを考えている上司でしょうか?