瀬野航太のF.I.R.E.生活(ロードバイク、資産運用)

地方公務員21年勤務、民間勤務1年を経験。23年間の資産運用の結果44歳でF.I.R.E.達成。現在49歳の専業個人投資家(テクニカルアナリストCMTA)をしつつ自転車ロードレース、自転車旅を楽しんでいます。

日本株ETFにおける暴落と復元期間を利用した投資戦略【2024年6月まで反映】

先日、8月上旬に日銀植田ショックと言って良いかは分かりませんが大きな暴落が発生しました。その際、私は買い出動を行いましたがその時に指針と買い出動のトリガーとしたのが本調査でした。暴落時の買い出動、実際にその場に居合わせると怖くて出来ないものですが、こうやってある程度の指針を持っていると少しは自信を持って臨めるものです。今回、2024年6月末までの数字を反映させたものをリライト記事としてアップします。


本記事は、以前に書いた物に対して最新の数字を反映させ且つ加筆したものです。(リライト記事)



日本株暴落」「日本株が大幅な下げ」など年に数度は、そういう見出しが新聞に躍ります。ただ、暴落の定義って何パーセント下げたら暴落って、メディアの方は考えているのでしょう?そんな疑問が先日沸きました。そして、その上で暴落した場合は何営業日でその下げた水準を戻すのでしょう? つまり、レジリエンス(復元)にはどのぐらいの日数がかかる? さらにそれを利用すれば高い確率で利益を確定できるのでは? そう考えました。そんな疑問とアイディアが浮かびました。疑問が浮かんだら、解決しなければなりません。ということで調べました。


本調査の前提条件
日経225TOPIX、JPX日経400について調べる。これは私がポートフォリオに組み入れているETFです。
終値で計算する。ティピカル値*1という考えもありますが、一般的な終値を使います。
・調査期間、長い方が良いでしょうが手間がかかるので2020年1月7日~2024年6月末とする。ただし、JPX日経400は設定日から。
・暴落の定義、年に4回起きる大幅な下げを暴落と定義する。(つまり、3カ月に1回の規模の下落)調査期間を踏まえて暴落回数のカウントを再定義する。
・回復に要した日数、暴落の前営業日の終値まで戻った日数を数える。




まずは、日経225です。
調査期間が4年と6カ月ちょっとなので、暴落回数のカウントは年3回の大きな下げを暴落と仮定し、4回×4年+2回=18回とします。そして、調査期間の下落率上位18位を暴落と定義すると、1位-6.08%で17、18位は同率で-2.82%でした。つまり、-2.82%以下を超える下げが暴落と言うことになります。

次に暴落前の株価に戻るのに何日を要したかです。レジリエンス能力ってヤツでしょうか? これについては、下記の表の通りですが特徴として一つの暴落が回復しないうちに次の暴落が始まり、暴落の回復期間の間に新たな暴落が生まれるという傾向が見られました。これはチャートで言う下落トレンド期間中と言うことかもしれません。その他、特に下落幅と回復期間に関係性は見つかりません。


次に、TOPIXです。
調査期間は日経225と同じなので、暴落回数のカウントは18回とします。そして、調査期間の下落率上位18位を暴落と定義すると、1位-5.61%で18位は-2.37%でした。つまり、-2.37%を超える下げが暴落と言うことになります。やはり、日経225よりはわずかに暴落率は、低いですが平均するとその差はわずかなのでほぼ同じと考えても良いでしょう。

次に暴落前の株価に戻るのに何日を要したかです。これについては、日経225と同じく一つの暴落が回復しないうちに次の暴落が始まり、暴落の回復期間の間に新たな暴落が生まれるという傾向が見られました。これもチャートで言う下落トレンド期間中と言うことかもしれません。その他、特に下落幅と回復期間に関係性は見つかりませんでしたが回復期間は、日経225より短いです。


次に、JPX日経400です。
調査期間は、暴落回数のカウントを年4回と仮定したうえでJPX日経400が組成された日が2020年3月9日なので、回数を調整する必要があります。よって、4×4年+1回=17回とします。そして、調査期間の下落率上位17位を暴落と定義すると、1位-5.03%で17位は-2.24%でした。つまり、-2.24%を超える下げが暴落と言うことになります。日経225、TOPIXに比べると非常にマイルドです。


次に暴落前の株価に戻るのに何日を要したかです。これについては、日経225、TOPIXに比べ暴落の回復期間の間に新たな暴落が生まれるという傾向は、少なく感じられました。これははっきりとは原因は分からないのですが日経225、TOPIXに比べるとマイルドでレジリエンス力は高いとも考えられます。その他、特に下落幅と回復期間に関係性は見つかりません。



さて、ここで各ETFの特徴も分かりやすくするために、数字を並べてみるとこんな感じになりました。これを見て投資戦略を考えてみることにします。見た感じ分かることに加えて、今までに分かっていることをまとめると。




・平均下落率で見ると、概ね3%前後である。
・下落からの回復期間を見るとJPX400がダントツで早く回復している。
・日経225については、下落からの回復が遅いことが分かる。
・暴落からの回復期間の間に新たな暴落があるという傾向については、共通しているがJPX日経400についてはその傾向が他に比べて薄い。



以上を踏まえて、考えつく投資戦略としては


・下落時の買い出動に関しては、以上を踏まえて指数ごとの平均下落率を参考に判断する。
・日経225、TOPIXについては下落回復期間中に新たな下落が起こることが多いので、機動的な買いは難しいがJPX400については、下落回復期間中に新たな下落は起こりづらいので機動的な買いは行いやすい。
・それも踏まえてると、日経225、TOPIXは、下落回復途上で新たな下落リスクの回避で資金をスライス(何度かに分けて)して買いを行う。JPX400については他の指数に比べてスライス回数は少なく出来る。
・資金のスライスの回数は、平均回復日数を参考にその前後とする。
・暴落時の買いの優先順位としては、JPX400→TOPIX→日経225とする。
・相場の監視は面倒なので、売買ソフトにこの数字をトリガーとした監視条件を設定する。





今後は、この運用方針で暴落時のETFの買い判断を進めていきたいと思います。なお、この投資方法は私が勝手に「レジリエンス投資」と名付けました(笑)。今後もこの手法を使った投資について検討し、数字の更新も含めてブログで触れていきたいと思います。







※このページに載っている数字などについては、その正確さは保障しません。投資についても推奨するものではなく、投資する場合は自己責任で行われますようお願いします。







*1:代表値とも言う(高値+安値+終値)を3で割ったものが多く持ち入れられる。