私の住んでいる北陸地域、その中でも福井県嶺南地域の若狭小浜では夏になると「くずまんじゅう」という和菓子が売り出されます。これは練り上げた葛でこし餡を包んだシンプルな和菓子で水で冷やしていただきますが、ファンも多く夏になると県内外からこれを目当てに訪れる観光客もいらっしゃいます。かくいう私も毎年、これを楽しみにしています。さて、そのくずまんじゅうですが同じようなモノが全国にあり特に有名なのが、岐阜県大垣市のみずまんじゅうです。ちなみに山本五十六が酒饅頭に砂糖とお水をかけて食べたという逸話が残っているのも、みずまんじゅうですがこれについては、今回触れるものとはかけ離れているので取り上げません。
さて、まずはこの若狭小浜のくずまんじゅうですが小浜市内を中心に名店が数軒あります。その中では我が家の御用達は、福井県小浜市小浜白鬚42にある木屋傳(きやでん)です。地元のスーパーでも売ってますのでお手軽に買うことが出来ます。ということで地元のスーパーで調達しました。このくずまんじゅうは、水の中に入れて売られているので容器も密封性の高いものです。私が子どもの頃は、こういう容器がなくて普通のパックに入っていましたが最近のこういう容器の進歩で、より美味しく食べることが出来ます。
そして、次に水まんじゅうですが車を数時間運転して大垣市まで買いに行きました。一人では寂しいので以前の職場の先輩だったOさんを巻き込み。。さそって大垣へ向かいます。訪ねたのは老舗の金蝶園です。大垣駅前には土日は行列が出来るとのことなのでそこは避けて、別の店舗へ向かいました。そこもけっこう混んでました。さっそく、お目当ての水まんじゅうを買いますがくずまんじゅうと違い、餡を色々な種類から選べます。盛り合わせ的に色々購入。こちらは、くずまんじゅうと違いピッチリとした容器に動かない状態で売られていました。
さて、くずまんじゅう、水まんじゅう両方がそろったところで食べ比べることにします。ただ、双方共に冷蔵庫で冷やしすぎると風味が落ちるとのことでした。これは要注意事項ですね。氷水で冷やしてから食べることにします。食べる前に外見を比べると、くずまんじゅうは餡に白い衣をまとっていますが水まんじゅうは、色々な餡に半透明気味の白い衣をまとっています。これは衣の材料が違うことが原因のようです。つまり、くずまんじゅうはその名の通り葛だけで衣が出来ていますがみずまんじゅうは、葛以外にわらび粉が入っています。そして、双方の大きな違いはくずまんじゅうは一般的な餡だけですがみずまんじゅうは各種フルーツを入れたフルーツ餡があるということです。
外見の観察が終わったので、おまちかねの試食タイム。まずは、くずまんじゅうからです。こちらはのどごしというか風味が本当に絶妙です。餡の甘みは控えめで葛の味と風味が優しく口内と喉の中を通り過ぎます。そして、みずまんじゅう。こちらはしっかりと餡の甘みが訪れます。衣の風味などは少し隠れてしまっています。ただ、餡は複数種類有るのでそれごとに楽しめますし餡の美味しさを衣が支えているように感じました。
どっちがおいしいのか? 軍配はどちら?
と甲乙付けたいところですが、食べた限りではくずまんじゅうと水まんじゅうは、似て否たるものと感じました。くずまんじゅうの主役は、葛。みずまんじゅうの主役は、餡。そんな感じですね。よって、私的にはそもそもこれを比べるのはナンセンスだと食べ終えて感じました。ただ、共通するのは両方とも本当に美味しい。そして、冷やすときは氷水でということでした。来年の夏にまた、食べたいですね。