今回は、少々固いお話。
地方自治体では、工事や物品、役務の提供を受ける場合。一定金額以上は当然ながら入札となります。市民の貴重な税金を財源にするわけですから、当然ながらの措置です。入札を行うことで、安くなればそれだけ多くの公共施設や道路などを直したり発注したりできます。
ただ、この入札制度ですが自治体によっては、地元企業を優先するところがあります。たとえば、指名競争入札*1において、
・地元企業A
・地元企業B
・地元企業C
・地元以外の企業D
があったとします。そして、「地元以外の企業D」は過去の実績から安くサービスを提供できる可能性があるとします。通常の考え方で行けば、指名のメンバーに地元以外の企業Dを入れるのが定石です。しかし、意図的に地元以外の企業Dを外す場合があるようです。これは、地元企業の育成や地元にお金を落としたいという、首長や役所幹部の意図があります。たしかにそういう考えは理解できますが、それって正しいことなのでしょうか?
税金を使う以上、安価で効率的は大原則です。しかし、その大原則がねじ曲がられているケースがあります。限りなく官製談合に近いグレーな入札だと私は考えています。
仮に地元優先が認められるとしたら、下記のような条件だと考えています。
「市民全員に利益のある会社が落札。」
しかし、そんなのありえませんよね? だとしたら、こういう入札が暗黙の了解で行われているとしたら、それは糾弾されるべきだと思います。
地方公務員法では、「すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務 の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない」とあります。これに照らせば、答えは自ずと明らかですし、地元企業を優先する指示をしている首長があればそれは、市民に対する背任でありそれを黙認している議員がいるとすれば、彼らも同罪だと私は考えています。
もし、地元企業を育成するという観点があるのであれば、それは入札で行うのではなく補助金などイノベーションの手助けなどをし、競争力を高めるなどでやるべきだと思います。
一つでも特例のような措置をすることが、業者が入札を甘く見ることに繋がります。そして、最終的には談合に繋がるのです。